インタビュー No.32
宮下さんとTRIBEと
―― トライブに一番最初にコンタクトをとって頂いたきっかけですが、求人媒体の方から弊社のシナリオライター案件にご応募頂いたんですよね。ご応募された際、すぐに宮下さんに電話したのが私だったんですよ!
宮下: そうだったんですか?!…言われてみればそうだったような気もします(笑)
―― 少しでも覚えて頂けていて嬉しいです。長年の間、フリーでシナリオライターとして活動されていらっしゃったと弊社担当からお聞きしましたが、今回新しいシナリオのお仕事にご応募されたきっかけを教えて頂いても宜しいでしょうか?
宮下: 元々フリーランスでのライター経験が長かったのですが、昨年1年程勤めていた会社では制作ではない業務に就いていたんです。ですが、そこの部署が潰れてフリーに戻った時、次は絶対に制作側へ回ろうと思っていました。フリーランスのライター業を再開し、久しぶりにシナリオライティングをして、やはり自分にはこの仕事が一番だと感じ、もっと深くシナリオの仕事に携わりたいと思いまして、トライブの案件に応募しました。
―― そうだったんですね。トライブの対応や印象はいかがですか?
宮下:
まず、登録したその日に1件企業へお顔合わせに行くことになり、対応の速さに驚きました。その後今現在行っているお仕事に決まるまで、2週間少ししかかからなかった為、かなりスピーディだと思ったのを覚えています。
シナリオライターという仕事は、特にフリーランスで行っている場合は営業活動が本当に難しいんです。変な言い方で、「私文章が書けるのですが使ってくれませんか」と言ったところで誰が使うんだと(笑) 例えば漫画家を目指している人が自分の漫画を描いて出版社等に持ち込んだとして、早くて5~10分程度で読み終わってしまいますが、同じ分量を文章にして読むと30分かかりますから。更に文章を読むのが好きじゃない人にどう読ませればいいのか…ですのでシナリオライターの営業は難しいので、紹介会社では自分で仕事を探したり営業をかけることもなく、助かる点が多々あります。
宮下さんの現在のお仕事
―― 今現在の携わっているお仕事について教えて下さい!
宮下:
今「オンラインゲーム」「ソーシャルゲーム」この2つに携わっています。
「オンラインゲーム」は、悪い面としては終わらせることが出来ないという点がありますが、逆に良い面で言いますと、どんどん拡張することが出来て、ゲームをプレイしているファンの要望に答えたフィードバックが出来る点が挙げられます。その為、1年後の同じタイトルのゲームが全く違う内容になっているのが当たり前なのがオンラインゲームであり、魅力のひとつ。シナリオ制作という仕事はどの分野においてもプロジェクトの中の仕事で一番最初に終わらせる仕事ですが、オンラインゲームはそういった意味で特殊ですね。
今言ったオンラインゲームにメインとして携わっておりますが、そのゲームのスピンオフシリーズとして「ソーシャルゲーム」も担当しています。
会社によってはソーシャルの場合シナリオが無いところもありますが、今回はシナリオを作って設定の厚いゲームにしようという取り組みの基作られていまして…。
最初は大体のシステムと簡単な世界観を渡されて、
そこを補強する形で携わっていましたが、
他のソーシャルゲームと差別化を図るために
更に厚い内容にしていきました。
―― 私のイメージでは、シナリオライターさんと言えば ご自宅でもくもくと書いている姿を想像していましたが、 常駐されて働いている場合の一日の流れが 気になります!教えて下さい。
宮下: まず、10時出社して全体朝礼と個別の部署ごとに分かれ朝礼をし、その後に仕事を始めます。 13時から1時間休憩時間がありますが、 僕の場合はお弁当を食べたら寝ます。 何故なら、シナリオを書く仕事は8時間確実にもたないし、 眠くなるからです。
―― 確かにそうですね、クリエイターさんのお仕事、 特に文章や活字をひたすら書く お仕事を何時間も続けるのは素人から想像しても、 とても辛いと思います…。
宮下: 眠くなった時の文章は結果的に全て書き直しに なりますし、そこから使える部分のみ残して書いても いびつな文章が出来上がってしまうだけなので、 必ずお昼休憩の際は寝て、仕事が始まると完全に 集中出来る状態に体をもっていきます。
――
好きな世界だからこそ、集中力は持続はしますが、
プロのお仕事だからこそ、
より完璧な仕事をされるんですね。
プロのシナリオ制作というのは、
どんな手順で進めているんですか?
宮下:
①設定を理解するところから始めます。
②キャラクターがいればキャラクターをどこまで
動かせるか理解します。
キャラクターは出発点ですが、それを線にし円にする、そしてその中で動かしていきます。
③そしてシナリオを書きます。ポイントとしては2つあり、まず1つ目として、100点満点の文章なんて存在しないと考えているので、まずは悩み込まず自分の文章で何パターンか書いてみて、そこから調整していくんです。僕の文章はまだまだですが、それでも一番好きな文章を書くのは誰か?と尋ねられれば自分と答えるわけで、信じて書いていくしかないですね。シナリオライティングのポイント2つ目としては「作品特有の世界観」を構築することですね。これはライターから提案することも多いので、ある意味、作家と近いかもしれません。ライターとして求められているのはどこなのかという点を理解するのも大事。
求められているシナリオの流れやリズムを理解した上で、勿論どこまでやっても自分の文章にしかならないですが、そこをどういう風に見せていけるか。面白い文章を作るのは勿論ですが、一番近い
ディレクターやプロデューサーを納得させられなければ意味が無いので、「作品」を作りながらも同時に「商品」を作っているという意識を念頭に置いて、何が求められ何が必要かを常に考えながら、書いています。